病院の食事に学ぶ

| 基本知識 |

宮城県仙台市の東北大学附属病院の朝は焼き立てパンの香りが漂い、ここが病院であることを忘れさせてくれる。

病院内の厨房で作られたパンが入院患者の朝食に出されるのです。

ただし、パンといっても小麦の胚芽と外皮まですべて粉にした全粒粉を使ったパンです。

朝食と昼食は2種類のメニューから選べますが、香りに誘われてパンを選ぶ人が多いそうです。

しかし、糖尿病患者の教育入院の場合は、1日の食事は1600キロカロリーに抑えるため、焼き立てパンは1個だけに制限されます。

また、クロワッサンやバターロールは脂質が比較的多いため、減量食の場合には、食パンを選ぶようにしてもらいます。

パンにはジャムやバターはつけず、おかずと一緒に食べるようにしてもらいます。

昼食は「五目あんかけうどん」が人気ですが、野菜がたっぷりのうどんで、朝食の野菜スープやキノコソテーなど、3食で合計350g以上野菜が取れるように工夫されています。

レタスなどの生野菜のサラダは、カサが多い割に量はそれほど取れないというデメリットがあります。

ただし、生野菜には酵素が活きていますので、加熱した野菜料理だけでなく生野菜も適度に盛り込むように工夫されています。

副食の煮豆には砂糖は使わず、ラカントという甘味料を使っています。これは羅漢果という中国の果物の糖分を原料に作られた甘味料ですがが、低カロリーなのが特徴です。

普通の煮豆には白砂糖が使われていますが、白砂糖をラカントに変えるだけで60キロカロリーほど下げることもできます。

これまでよく使われていたアスパルテームなどの甘味料は加熱時間が長くなると苦味が出たが、ラカントは長時間煮込んでも苦味は出ません。

夕食のメインは鶏肉の香草パン粉焼きです。

チキンカツでは脂質が多くなり一気にカロリーも上がってしまうが、下味をつけてオリーブオイルをまぶした鶏モモ肉にパン粉をまぶしてオーブンで焼くことでチキンカツの60%程度のカロリーに抑えることができます。

食べてみるとチキンカツほど脂っこくなく、それでいてサクッとしたフライのような食感も楽しめる好評の一品です。

昭和30年代の食事と現代日本人の食事とを比べると、摂取カロリーはそれほど変わっていないのに、動物性脂肪と糖質の摂取量が増えており、これが悪玉コレステロールの数値上昇や血糖値の上昇と大きく関係していることが推察されます。

つまり、カロリーを制限することだけでなく、動物性脂肪と糖質のとりすぎに注意することが悪玉コレステロールの数値改善のポイントともいえるのです。

病院の食事のような工夫をすべて真似することは難しいかもしれませんが、できることから参考にしてみるのも悪玉コレステロールを下げるための食事を考える際のヒントになるのではないでしょうか。